キャベツふたたび

ダージリン急行の効力も、もはやかぎりなく薄まってしまい、精神力が極端に落ちている今日この頃である。
書架から泉鏡花の小説を数冊持ち出すような素っ頓狂ぶりは、いつものことだが、すべてそころじゅうにとっ散らかったまま、呆然と立ち尽くしているようなものだ。
寝床さえ定まらない。
つくづく人の道を外れたもんだと実感する。
いつ外れたか、自分では分かっているつもりだが。
ほんとうは、もっとずっと前に外れたのかも。
せっせと息子たちには説教しつつ、すかさず自分の説教を茶化してしまう。
方向を導こうとしつつ、決まって、でも違う視点で見れば、それもどうかもね、と本音を吐露してしまうのがいけないのだろうか。
バラードの『クラッシュ』を読了して、次に読む本が定まらないままなのが、いけない。
ともあれ、金井美恵子の旧作『小説論』が文庫化し(ボーナストラック2本付き!)、神保町の三省堂で購入し、苦労して持ち帰ったウルフの4巻本は、新装版でリリースされた。『拷問者の影』からまた、読むことにしよう。