Cabbage on the Hill

故あって、フィッツジェラルドの「崩壊」を読み返す。
「崩壊」を書いたとき、彼は39歳だったらしい。
俺と同じ年齢だ。

「自分に同情するくらいなら、いいですか」と彼女は言った。(彼女は口癖のように「いいですか」と言う。なぜなら、彼女は話をしながら考えるからだ――本当に考えているのだ。)とにかくこう言った。「いいですか。崩壊はあなたの中にあるんじゃないと考えてごらんなさい――それがグランド・キャニオンのどこかにあるとして」

「崩壊はぼくの中にあるんだよ」とぼくは英雄気取りで言った。

「いいですか! 世界はただあなたの瞳の中にだけあるの――あなたが世界をどう見てるかという問題なのよ。世界はあなたの気持ち次第で大きくも小さくもなる。あなたはちっぽけで弱々しい自分であろうとしているの。そうね、もしわたしが崩壊したことがあったとしたら、世界もわたしにならって崩壊させてやろうとしたでしょうね。いいですか! 世界はあなたの捕らえ方を通してのみ存在するんです。だから、崩壊したのはあなたじゃない――グランド・キャニオンのほうよ」



崩壊
The Crack-up
F・スコット・フィッツジェラルド F. Scott Fitzgerald
http://www005.upp.so-net.ne.jp/kareha/trans/the_crack-up.html

それにしても素晴らしいエッセイだと思う。


久しぶりに夜更かししたのはNHKのTOP RUNNERを見るため。
もちろんSHIHOちゃん目当てである。

ねむ。