Crushed Cabbage

定時に退勤し、一路長崎へ。
何年かぶりに、ハイウェイ沿いの山道を走ってみる。
途中、絶妙のロケーションで咲き誇る桜に何度も出くわす。
花見のスペースはないものの、殺人のロケ現場に最適ではないか。
スコップか何かで振り向きざまにガツン。
桜の花びらがちらちらと(あくまで二つ三つ)舞うなか、びくんびくん痙攣する女。
谷間にはハイウェイの高架が走っていて、クルマの疾走する音が聞こえる。
春の鳥が歌う中、死体を肩に背負って、片手にさっきの凶器であるスコップを握り、山中に分け入って行く男。
シーンが変わり、男は床屋で散髪している。
シャンプーが終わり、椅子が倒され、髭剃りのため男は心持ち顎を挙げたまま目を閉じ待っていると、温かい蒸しタオルが顔に乗せされる。その一瞬、目を開けると、マスクをした女性の理髪師が剃刀を持って立っている。
顔の大半は、白いにマスクに覆われているが、もちろん、その目元は、さっき殺して山中に埋めた女とよく似ているのだった。


というわけで、久しぶりに床屋へ。
伸ばすつもりなので、簡単に切ってもらう、つもりがばしゅばしゅ切りやがって。
といっても、ヒゲのカタチを整えてもらうほうが時間かかったりする。
明日にでもきれいさっぱり剃ろうかな。
楽しみにしていたヘッドスパはオレンジの匂いにつつまれつつグースカ眠ってしまい堪能できなかった。
それにしても白髪が増えた。
ボカシとかいうのを勧められるも、EM菌を連想してしまい、丁重にお断りする。
思えば、オヤジは、オレの今の年くらいから白髪が多く、真っ黒く染めてたらしいが、まっぴらごめんだ。


靴屋へ行って、ビジネスシューズを求めるも、サイズなし。
最近はやりの先のとんがった茶の靴が見つかるが、蹴ったら痛そうですねえ、と言ってご遠慮する。
オレの芸風じゃねえよなあ。
ウォーキングシューズを求めるも上に同じ。
仕方がないので、スニーカーを2足購入。
寄りにも寄って、VANSのスケボースニーカーにNIKEのオレンジと黒のコンビのスニーカーである。
その間、回りに10足くらいの巨大な靴箱が散乱。
バカのデカ足も困ったもんだ。



好文堂で文庫本を二冊買い、これまた久しぶりにドトール詣で。
馴染みの、「教授」は見当たらず。
春なので、別荘にでも篭っているのだろうか。
買った文庫本は、バラードの「クラッシュ」に四方田犬彦の「ハイスクール1968」。
1968年は俺が生まれた年だが、四方田の本はノスタルジーに陥っていないだろうか?
ぱらぱらめくってみると、ビートルズだのATGだのガロだのの固有名詞が並んでいていやな予感がする。