キャベツ・ロワイヤル

久しぶりに水汲みへ。
帰りにドライブがてら、山のほうへ上がっていくと、昼なお暗い木立の中へ迷い込む。
近所の人たちは、一人といわず、来た道を辿るうちキツネにダマされ、迷いに迷った経験があるらしい。
はじめて見かける集落を通り過ぎ、ようやっと見慣れた道路にたどり着く。
さらに迷うべく、横道にそれると、図らずも、昨年初秋に親子で滝に打たれた霊場に向かう道であった。
途中、真紅のクルマが颯爽と走り過ぎる。


あ、男のヒトと乗っとったよ。


と長男が言う。


彼氏だろう。


ほんとは甥っ子だけどね。