なんとなく違和感を持っていたこと

オープンキャンパスなどで、「体験学習」の一環で、「健常者」のガキどもに、車椅子バスケや車椅子体験や高齢者体験などといったプログラムをやることもあるが、なんとなく違和感と言うか、「すれすれじゃね」と感じていたのだった。

・・・ノーマライゼイションとともに普及してきたことだが、目隠しして視覚障害を体験学習することや車椅子を体験学習することも不愉快である。見える者が目隠しをして歩く場合、見る能力が欠如した状態を真似ているのではない。そうではなくて、見る能力が欠如した状態を真似る能力を発揮するとともに、見える状態と疑似的な見えない状態を比較する能力を発揮しているのである。そのとき、見える者は、見ることを遮断しながらも、新たに二つの能力を発揮しており、差し引きするなら、見えない者との能力格差を何ら変更していない。むしろ、体験学習などの余得を考え合わせるなら、能力格差を押し広げている。端的に差別的なのだ。そもそも、学習したければ、見えない者に聞いて学べばよいのである。

断食の系譜

もちろん、ふだんの社会福祉関連の授業科目のなかで、こういう体験学習のプログラムは、ほぼ「お約束」化されているのだろうし、上の小泉先生が書いているようなことにいちいちかかずらわるような教員が多くいるとも思われない。