ダブリナーズとダブリン市民と死体の鍋。

新宿南口のスタバで寒さに縮こまりつつ、『ダブリナーズ』を読む。
すらすら読める。
なんなのこれ。
柳瀬新訳がうまいからか。
奏で方がうまいということだろうか。
従来の『ダブリン市民』はなぜか暗く陰惨なイメージだった。
ダブリナーズ (新潮文庫)

帰りの飛行機は揺れに揺れて、おまけに珍しく隣に若い娘が座ったせいか、リラックスできず、途中で目覚めてしまった。
虐殺器官』を読みながら、隣でねっしんにノートPCで仕事にいそしむ若い娘の姿に、自分もそういえばこういうふうに熱心に仕事をしていた時期があったことを思い出す。
虐殺器官 (ハヤカワSFシリーズ・Jコレクション)

しかし、この若い娘は、この巨漢の隣に座るや否や、チューインガムを包みからカサコソと出し、口に入れてはくちゃくちゃやり、味がなくなったのだろう、口元に包み紙を当てて丸めると、紙製のゲロ袋の口を破ってそそくさとその中に捨てる、捨てたそばから、次のチューインガムを包みからカサコソと出し、と何度も同じ動作を繰り返していた。チューインガム中毒なのだろうか?それとも糖尿病?
降り立つと窓の外には雨がざあざあ降っていた。若い娘は、真紅のコートを小脇に抱えすたすたと歩いていった。
柔らかい土をふんで、 (河出文庫)