駅で再び別れる

行方不明になったままの恋人と会議で再会する。
彼女は「東京の森」に勤務している。
何かのイベントの打合せで、何年ぶりに再会するが、私はなかなか声をかけられない。
彼女は、ヒッチコックの「めまい」でキム・ノヴァクが着ていたような、グレイのスーツを着ている。
ミーティングの会場に入ってくる彼女の姿を俯瞰で眺めている。

場面が変わり、町の中を私と私の仲間たちと彼女とで歩いている。
曇天の上空にはやたらと電線が交錯していて、クルマの通りが多い。

私は銀色の自転車を引きながら、彼女と慎み深い調子で会話をしている。
会話の内容は、私たちの息子のこと。
会話の最中に、私たちの息子が元気に走り回っている姿が見える。
私たちの息子の顔は、赤ん坊だった頃の顔がそのまま間延びしたような顔だった。
私は彼女の身体に触れなかったが、彼女の身体の暖かさと柔らかさが伝わってきた。
駅のホームで列車を待っていたが、自転車を改札に置き忘れたことを思い出し、私だけ引き返す。
改札の付近で時計を見ると、あと20秒で列車は発車する。
私は急いで、自転車を持ち上げながらホームへの階段を上がるが、列車は発車したらしい。
ホームのベンチに座っていた再会を果たした恋人と仲間たちの姿を確認しようとした瞬間、目を覚ました。